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ブックレビュー: 2010年2月アーカイブ

藤沢周平: 静かな木

img-223133618.jpg藩の勘定方を退いてはや五年、孫左衛門もあと二年で還暦を迎える。城下の寺に立つ欅の大木に心ひかれた彼は、見上げるたびにわが身を重ね合わせ、平穏であるべき老境の日々を想い描いていた。ところが・・・・・・。舞台は東北の小藩、著者が数々の物語を紡ぎだしてきた、かの海坂。澹々としたなかに気迫あり、滑稽味もある練達の筆がとらえた人の世の哀歓。

平成12年9月1日 発行
平成21年12月5日 26刷

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藤沢周平: 本所しぐれ町物語

img-212084538.jpg浮気に腹を立てて実家に帰ってしまった女房を連れ戻そうと思いながら、また別の女に走ってしまう小間物屋。大酒飲みの父親の借金を、身売りして返済しようとする十歳の娘。女房としっくりいかず、はかない望みを抱いて二十年ぶりに元の恋人に会うが、幻滅だけを感じてしまう油屋。一見平穏に暮らす人々の心に、起こっては消える小さな波紋、微妙な気持ちの揺れをしみじみ描く連作長編。

平成2年9月25日   発行
平成18年11月20日 45刷

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佐伯泰英: 居眠り磐音 江戸双紙 陽炎の辻

img-217170403.jpg直心影流の達人、坂崎磐音。藩内騒動がもとで自藩を離れ、江戸深川六件掘で浪々の日々を送る。ある日、磐音はふとした縁で両替商の用心棒を引き受けるが、幕府の屋台骨を揺るがす大陰謀に巻き込まれてしまう。些事にこだわらず春風のように穏やかな磐音が颯爽と悪を斬る。

2002年4月20日 第1刷発行
2008年12月24日 第52刷発行

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藤沢周平: 驟り雨

img-212084517.jpg激しい雨の中、一人の盗っ人が八幡さまの軒下に潜んで、通り向かいの問屋の様子を窺っていた。その眼の前へ、入れかわり立ちかわり雨やどりに来る人々。そして彼らが寸時、繰り広げる人間模様・・・・・・・。表題作「驟り雨」をはじめ、「贈り物」「遅いしあわせ」など、全10編を収める。

昭和60年2月25日 発行
平成19年5月30日 51刷

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藤沢周平: ささやく河

img-208084652.jpg元は凄腕の岡っ引、今は版木彫りの職人の伊之助。定町回り同心石塚宗平の口説きに負けて、何者かに刺殺された島帰りの男の過去ょ探るはめに。綿密な捜査を進め、二十五年前の三人組押し込み強盗事件に辿り付いた時、彼の前に現われたあまりにも意外な犯人と哀切極まりないその動機-----江戸を流れる河に下町の人々の息づかいを鮮やかに映し出す。

昭和63年9月25日 発行
平成17年10月10日 47刷

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藤沢周平: 花のあと

img-208084614.jpg娘ざかりを剣の道に生きたある武家の家。色白で細面、けして醜女ではないのだが父に似て口がいささか大きすぎる。そんな以登女にもほのかに想いをよせる男がいた。部屋住みながら道場随一の遣い手江口孫四郎である。老女の昔語りとして端正にえがかれる異色の表題武家物語のほか、この作家円熟期の秀作七編!

1989年3月10日 第1刷
2007年7月15日 第37刷

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