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ブックレビュー: 2008年8月アーカイブ

貝塚茂樹-史記

img-828081150.jpg中国古典の含蓄深い精神を現代につたえる名手貝塚教授が、青年時代より敬愛し研究しつづけてきた司馬遷の名著『史記』の精髄を展開する。
商君、蘇秦、孟嘗君、新始皇、李斯、陳勝、項羽、高祖、酷史、貨殖、遊侠、食客等等、古代中国の群像は、宮刑の屈辱に堪えてまで歴史家としての使命に徹した司馬遷によって不朽となった。竹簡百三十巻の大著を書いた人、書かれた人の精神は、ここに新鮮な感動を伴って再現されている。

昭和38年5月25日 初版
昭和52年5月30日 44版

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江上波夫-騎馬民族国家

img-827081226.jpg日本国家と民族の起源は東北アジア騎馬民族の日本征服にあるという説にたつ著者が、長年の研究を集大成し、大陸と古代日本との比較・対照によって、その社会・政治・軍事・文化などの各面で細部にいたるまで具体的に符号することを証明しようとする。第一部ではスキタイ・匈奴・突厥・鮮卑・鳥桓などの大陸騎馬民族国家の興亡の歴史とその特質を描き、第二部では日本における征服王朝をとりあげて相互の関連性を説く意欲的研究。

昭和42年11月25日 初版
昭和54年3月5日   36版

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笹沢左保-家光謀殺

img-826082804.jpg 謎の尼僧が残した紙きれから家光暗殺の計画が浮かび上がった。これを阻止すべく、大久保彦左衛門をリーダーとする七人の特命隊が組織された。メンバーは、剣豪宮本武蔵、軍学者由比正雪、槍の達人丸橋忠弥など。
 東海道を京に向かう家光の一行に襲いかかる魔の手。危機管理のプロたちは、将軍を守りきれるのか?綿密な時代考証のもと描かれた奇想の物語。

2000年5月20日 諸般1刷発行

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芥川龍之介-河童・或阿呆の一生

img-825080814.jpg芥川最晩年の諸作は死を覚悟し、予感しつつ書かれた病的な精神の風景画であり、芸術的完成への欲求と人を戦慄させる鬼気が漲っている。出産、恋愛、芸術、宗教など、自らの最も痛切な問題を珍しく饒舌に語る『河童』、自己の生涯の事件と心情を印象的に綴る『或阿呆の一生』、人生の暗澹さを描いて憂鬱な気魄に満ちた『玄鶴山房』、激しい強迫観念と神経の戦慄に満ちた『歯車』など6編。

昭和43年12月15日 発行
昭和52年9月20日  17刷

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司馬遼太郎-歴史と視点

img-823081105.jpg歴史小説に新しい時代を画した司馬遼太郎の発想の源泉は何か?帝国陸軍が史上初の惨敗を喫したノモンハンの戦いを、太平洋戦争を戦車隊員として戦った自身の体験と重ね合わせながらふりかえり、敗戦に至る壮大な愚行に対する一つの視点を呈示するなど、時代の諸相を映し出す歴史の搏動をとらえつつ、積年のテーマ“権力とは”、“日本人とは”に迫る独自な発想と自在な思索の軌跡。

昭和55年5月25日 発行
平成5年1月30日  30刷

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司馬遼太郎-覇王の家

img-821082144.jpg徳川三百年----戦国時代の争乱を平らげ、長期政権<覇王の家>の礎を、隷属忍従と徹底した模倣のうちに築きあげていった徳川家康の、俗説の裏に隠された実像を探り、日本人の民族性の謎に迫る。信長や秀吉とは異なった家康の捉えがたい性格を、三河武士団という忠誠心の異常に強い集団との関係で浮彫りにし、時の覇者秀吉を実質上破った小牧・長久手の戦いを中心に覇者の条件を探る。

昭和54年11月25日 発行
平成6年11月25日 42刷

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筒井康隆-日本列島七曲り

img-820081646.jpg----この飛行機は革命的赤軍派の学生様御8名様ご用達の栄を賜り、一路北鮮へ参ります。・・・・・・・機長が浮き浮きした声で告げた。日本刀を抜いて威嚇する乗っ取り犯を、高倉健そっくりだといってはやしたてる農協さん。一味の女子学生に強姦された中年の乗客やらで、機内には、まるで乗っ取りに出会ったのが嬉しくてたまらぬ様子が充満していた。飛行機の乗っ取りが頻発すると、こんな現象も起こるにちがいない。鬼才、筒井康隆がハイ・ジャックを喜劇的に描いた表題作、ほか異色短編10篇収録。

昭和50年6月30日 初版発行
平成元年2月20日 35版発行

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芥川龍之介-少年・大導寺信輔の半生

img-819080806.jpg「少年」は<保吉物>中で一級の名作。夕暮の風呂場で少年の心に感じた死。幻燈の淋しい風景画の中に見た、不思議な少女の幻影。----これらは半自伝「大導寺信輔の半生」に描かれた“ただ頭ばかり大きい、不気味なほど痩せた”著者少年期の、鋭敏な感覚と暗鬱な魂を窺わせる。表題作のほか各評論「芭蕉雑記」,講演等二四篇を収録。

昭和44年7月20日 改版初版発行
昭和48年7月30日 改版5版発行

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坂口安吾-信長

img-818082629.jpg最も魅力的な信長像--戦後無頼派作家の代表格にして物語の名手・坂口安吾が描く戦国の英雄・信長の若き日々。「尾張の大タワケ」がマムシと呼ばれた義父・斉藤道三と繰り広げる神経戦。次々と版図を広げていくための縦横無尽の戦略・戦術。身内の古参の部下さえ許さぬ苛烈な精神。そして千載一遇の好機に賭けた宿敵・今川義元との血戦・桶狭間の戦い--乱世を阿修羅のごとく生きた男が、いま甦る!

2008年6月19日 第1刷発行

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会田雄次-日本人の忘れもの

img-813083435.jpg 戦後の日本は、アメリカの模倣に懸名となり、それにある程度成功したかに見える。しかし、それゆえにアンバランスな日常生活を招き、借ものの言葉とその幻想に喘がざるを得なくなった。まさに危機といわねばならない。
 著者は、今日の日本人が見落としている日常の些細な事柄の中に、いかに社会を揺るがす重大な意味が含まれているかを鮮やかに解き示しつつ、本来的な生き方への復帰を訴える。

昭和49年6月10日 初版発行
昭和60年2月20日 17版発行

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司馬遼太郎-真説宮本武蔵

img-812083237.jpg生涯六十余度の仕合を重ね、一度も敗れを取ったことがないといわれる宮本武蔵。その兵法、技量の実態は?また相手はどの程度の人物であったのか?通説の裏に潜む実像、人間としての武蔵の真説に迫る好短編。表題作のほか、「京の剣客」「千葉周作」「上総の剣客」「越後の刀」「奇妙な刀」の剣豪もの五編を収録。

1983年7月15日 第1刷発行
2001年8月24日 第51刷発行

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宮本政於-お役所の掟

img-811081334.jpg国会答弁の「適切な言葉」
【前向きに】 遠い将来にはなんとかなるかもしれないという、やや明るい希望を相手に持たせる言い方。
【鋭意】    明るい見通しはないが、自分の努力だけは印象づけたい時に使う。
【十分】    時間をたっぷりかせぎたいということ。
【努める】   結果的には責任を取らないこと。
【配慮する】 机の上に積んでおく。
【検討する】 検討するだけで実際にはなにもしないこと。
【見守る】   人にやらせて自分はなにもしないこと。
【お聞きする】聞くだけでなにもしないこと。
【慎重に】  ほぼどうしようもないが、断りきれないときに使う。だか実際にはなにも行われないということ。

1993年4月20日 第1刷発行
1994年4月22日 第17刷発行

PS: 少し古い本ですが、当時多くの方が読んだ思います。内容は、現在にも当てはまるのではないでしょうか。

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司馬遼太郎-軍師二人

img-809084032.jpg戦国時代の英雄たちの中で群を抜いて輝く二人の武将----天稟の智将・真田幸村と、千軍万馬の勇将・後藤又兵衛の、名将なるが故の葛藤と互いの深い洞察を語る表題作の他、争乱の時代をQ刺と自由に生きた、戦にも強く女にも強い、生き物の典型としての男たち、それを慕う女たちを描く、興趣尽きない好短編集。

1985年8月15日 第1刷発行
1990年5月15日 第17刷発行

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柳田邦男-事実の読み方

img-808083148.jpgみんながアイスクリームを食べているのに一人だけ食べない子がいたとき、その理由をどう考えるか-----。通念や先入観による判断の誤りは、日常生活のみならず報道や政治・外交などの場でも起こりうる。情報が溢れる現代において、いかにデータを読み解くか。経済摩擦、技術開発、災害・事故、医療などの諸問題について、予断を排し、「事実」の積み重ねのみによって考察したエッセイ集。

昭和62年11月25日 発行
昭和63年10月25日 五刷

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坂口安吾-復員殺人事件

img-807082910.jpg 昭和22年9月のある日、小田原の成金倉田家の玄関に、ヨレヨレの白衣姿で現れた、異様な傷痍軍人。
 片手・片足、両眼はつぶれ、片アゴを砲弾にもぎ取られ口のきけない男は、外地から復員した次男安彦と思われたが、その翌晩、倉田家の家族を突如見舞った惨劇。
 射殺1人、催眠薬を飲まされた者3人、加えて、復員兵の男もまた、絞殺死体で発見された。
 5年前にさかのぼる、長男親子の轢死事件との関係は?復員兵の次男は、果たしてホンモノか?そして、新約聖書マルコ伝中の一句「樹のごときもの歩く」が暗示する、謎とは何か?・・・・・・
 鬼才安吾の中絶作品に高木彬光が挑戦して続編を書きつぎ、「樹のごときもの歩く」の題名で見事完成させた、幻の傑作推理、ここに復活!

昭和52年10月30日 初版発行

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大下英治-小説田中軍団(上)

img-806081508.jpg 二階堂進、とつぜんの総裁選出馬宣言。勝算を読んでのことか、あるいは・・・・・。目白との密約?・・・・・。
 目白の闇将軍田中角栄の強力な指導力と巧みな人心収攬術で、空前の拡大を続けた田中派木曜クラブ。国会議員141名を擁する最大派閥に、なにがおこったか。
 ポスト中曽根を狙うニューリーダーの戦いに、熾烈さを加えた田中派分裂劇の真相と政局の鍵を握る派閥力学の本質に迫る最新政治情報小説。

昭和62年9月10日 初版発行
平成5年12月25日 八版発行

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戸川猪佐武-小説吉田学校第八部

img-805082735.jpg第八部 保守回生
 昭和55年6月、大平正芳死す。 
 戦後はじめての現職首相の死は、衆参同時選挙をたたかう自民党の連体意識をたかめ、“弔い合戦”を合い言葉に、予想をはるかにうわまわる大勝利をもたらした。
 しめやかに営まれる自民党葬の舞台裏では、後継者選びの思惑が渦巻いていた。マスコミに登場する有力候補をよそに、“目白の闇将軍”の肚は決まっていた。派閥力学の加減乗除は、予想もしないダークホースを浮上させた。

昭和56年8月10日 初版発行

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諸田玲子-遊女のあと

img-802084958.jpg女は家を飛び出した。男は女敵討ちの旅に出た。質素倹約を強いる将軍吉宗に対抗し、遊興が奨励され、空前の繁栄を謳歌する尾張名古屋へ。
女も男も、夢に酔い痴れる。罠が待っているとも知らずに。

2008年4月25日 発行

PS:発想に独自性があり、最近の時代小説とは若干趣を異にしています。

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